翔洋学園高等学校ネットキャンパスのスクーリングでは，教室での授業や個別学習だけでなく，校外での学習活動も行っています。

実際に見たり，聞いたり，触れたりすることを通して，学習の質を高めることが目的です。

教科書から学んだことを知識としてだけでなく，深く定着させるためには，体験的な学びが欠かせません。

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今回は，領土・主権展示館を見学した際の様子をご紹介します。

領土・主権展示館は国立の施設で，日本の領土・主権に関する事実や日本の立場に関する正確な理解を国内外に浸透させていくための発信拠点です。

北方領土，竹島，尖閣諸島がいずれも日本固有の領土であることを示す歴史的資料や人々の営みを示す資料等を展示し，日本が領有する根拠，他国・地域の主張や行動，それに対する日本の対応や考え方を説明しています。

学習指導要領には，領土教育について扱うことが示されています。

概要説明の後，解説員の皆様が展示について詳しく説明してくださいました。

北方領土とは，北海道根室半島の北東に近接する択捉島，国後島，色丹島，歯舞群島のことをいい，四島の総面積は福岡県や千葉県とほぼ同じです。

かつて北方四島には約１万７千人の日本人が住んでいましたが，ソ連軍の侵攻と占領によって全員が１９４８年までに強制的に日本本土に引き揚げさせられました。

竹島は，女島（東島），男島（西島）の２つの島とその周辺の数十の小島からなる群島で，島根県隠岐の島町に属しています。

展示されている竹島のニホンアシカは，全世界で約１０数体しか残っていない貴重な剥製標本の一つです。

ニホンアシカはかつて日本列島全域に生息した海棲哺乳類で，竹島は最大の繁殖地でしたが，明治以降，皮や脂をとるために乱獲されて個体数が減少し，現在は絶滅したと考えられています。

尖閣諸島は，南西諸島西端に位置する魚釣島，北小島，南小島，久場島，大正島，沖ノ北岩，沖ノ南岩，飛瀬などからなる島々の総称で，沖縄県石垣市に属しています。

尖閣諸島に生息するアホウドリは，北太平洋最大の海鳥で，翼を広げた長さは最大２．４メートルもあるとか。

１８９０年代以降，羽毛採取のため大量に捕獲されて激減し，１９４９年に絶滅が宣言されましたが，１９５１年に伊豆諸島の鳥島で約１０羽が確認され，保護事業が始まりました。

生徒たちは，説明を聞きながらワークシートに取り組みました。

体験的な活動を通して学習分野への興味関心を広げ，より深く学ぶきっかけにしてほしいと思います。

〔生徒の感想〕

• 領土は先人が努力によって築いてつなげてきたものなので，私たち国民は事実，歴史を学び，知っていかなければならないと思いました。日本は武力行使できないからこそ，平和的解決が行えると思います。
• 今まで無関心だった領土問題について，事実を知ることができた。自分の想像していた以上に深刻な問題だった。領土問題について目を向けていきたいと思う。
• 自分は領土問題について知らないことがたくさんあることに気がついた。先人が残してくれた領土を守ることが自分たちの役目だとわかった。日本人として，もう少し詳しく知らなければいけないと思った。
• 領土問題も尖閣諸島のことも国際社会の協力が不可欠なのかなと思った。現代は平和な社会で生活しているが，その裏で一歩間違えれば戦争が起きそうな問題もあるということを学んだ。
• 強引に領土をとろうとしている国と良好な関係を築くのは難しいことだと思った。昔の人たちが命を懸けて開拓した領土を守っていけたらいいと思う。

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